個展のウェブサイトをつくるとき、多くの方が最初に悩むのは「なにを載せるか」ではありません。「なにを載せないでいいか」です。作品も、経歴も、ステートメントも、会場のことも、全部大切に思えます。そして全部を載せた結果、いちばん伝えたかった一枚が埋もれます。
実際にご依頼をいただいて何度も確認してきたのは、来場を決める方が探している情報が、驚くほど少ないということでした。
最低限、これだけあれば成立します
- 会期(初日と最終日、開いている時間)
- 会場(住所と、最寄り駅からの行き方)
- 在廊予定(作家に会えるかどうか)
この3つです。作品画像が1点もなくても、この3つが明快であれば、人は会場まで来られます。逆に、作品が50点並んでいても会期が探しにくければ、来場にはつながりません。
在廊予定を軽く扱わないでください。作品を見にくる方の少なくない割合が、実際には「作家に会いにくる」からです。会期の説明文のなかに紛れ込ませず、独立した情報として置くことをおすすめしています。
次に効くのは、作品ではなくステートメント
作品画像を増やすより、短いステートメントを1本置くほうが効くことがあります。理由は単純で、画像は「もう見た」と判断されると、会場に行く理由が消えるからです。
ウェブに載せる画像は、会場の代わりではありません。会場に来る理由をつくるためのものです。だから、全点を載せる必要はありません。
私たちがご一緒するときは、まず点数を減らすところから始めることが多くあります。5点を大きく置いたほうが、30点を小さく敷き詰めるより、来場につながる。これは何度も見てきた実感です。
ステートメントは、読み切れる長さに
ステートメントが長くて読まれない、というご相談はとても多いです。目安として、声に出して1分で読み終わる長さに収まると、最後まで読まれます。
書き下ろす必要はありません。すでにお持ちの文章を、意味を変えずに削るところからご一緒できます。下書きのままお預かりして整えることもよくあります。
会期が終わったあと、どうするか
いちばんもったいないのは、会期が終わったサイトを閉じてしまうことです。
検索エンジンは、時間をかけてページを評価します。公開してすぐに評価が決まるわけではありません。ですから、会期のたびにサイトを作り直して URL を変えると、そのたびに評価が最初からやり直しになります。Google も、同じ内容が複数の URL に分かれている状態を避け、代表となる URL に集約することを推奨しています(Google 検索セントラル「重複した URL の正規化」)。
おすすめしているのは、URL を変えずに追記していく形です。会期の表示を過去のものへ切り替え、次の発表を足していく。作品が増えるほど厚みが出る場所になり、次の個展のときには、すでに評価のある場所から告知を始められます。
まとめ
- 会期・会場・在廊。この3つを、探させない場所に置く
- 作品は減らす。会場に来る理由を残すため
- ステートメントは、1分で読み切れる長さに
- URL は変えない。会期ごとに作り直さない
なにを載せるか迷われている段階でも、ご相談いただけます。作品点数やご予算が決まっていなくても構いません。制作の流れをご覧いただくと、どこから決めていくのかが分かりやすいかと思います。
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