画廊のウェブサイトは、告知の掲示板であると同時に、取扱作家の履歴書でもあります。ところが多くの場合、前者だけで運用されています。
展覧会ごとにページを作る。会期が終わったら下げる。次の展覧会のページを作る。この繰り返しのなかで、毎回いちばん厚みのある資産が失われています。
消えているのは、作家の履歴です
ある作家の展覧会を、5年で3回開いたとします。3回分の会期、出品作、在廊の記録。それは、その画廊がその作家をどう見てきたかの証明です。
ところが展覧会単位でページを持っていると、3回とも別々のページになり、終わるたびに消えます。5年経っても、外から見える情報はいつも「いま開催中の1本」だけです。
軸を、展覧会から作家に移してください。 作家のページがあり、そこに展覧会がぶら下がる。この構造にすると、会期の告知を1本足すたびに、その作家の履歴が自動的に厚くなります。更新が、積み上げになります。
終わった展覧会こそ、検索から見つかります
「もう終わった展覧会のページを残しても意味がない」と言われることがあります。実際には逆です。
作家名で検索する人は、いま開催中かどうかを知らずに検索します。その人が最初にたどり着くのは、たいてい過去の展覧会のページです。そこから「この画廊はこの作家を扱っている」と分かり、現在の企画へ移動します。
だからこそ、過去の展覧会ページに、現在の企画への導線を必ず置いてください。ここが抜けている画廊のサイトは、とても多いです。
URL を変えないでください
もうひとつ、繰り返しお伝えしていることがあります。サイトを作り替えるときに、URL を変えないでください。
検索エンジンは、ページごとに評価を持っています。URL が変われば、それは別のページとして扱われます。同じ内容が複数の URL に分かれてしまう場合は、代表となる URL を明示して集約することが推奨されています(Google 検索セントラル「重複した URL の正規化」)。
やむを得ず変わる場合は、旧 URL から新 URL への転送を必ず設定してください。設定しないままだと、それまで積み上げた評価が宙に浮きます。
販売と展示は、混ぜない
もうひとつ、この業種で特によく効くのが、販売と展示の導線を分けることです。
「見にきてほしい」と「買えます」では、読み手の姿勢がまったく違います。同じ画面で並べると、どちらの温度も伝わりません。分けたうえで、会期中だけ販売への案内を少し強める。この形が、いちばん無理がありません。
よくあるご質問に、答えを置く
在廊日、オープニングレセプション、撮影の可否、車で来られるか。画廊に電話で寄せられる質問は、実はいつも同じです。
サイト上でその答えを構造化して記述しておくと、検索結果に質問と回答がそのまま表示される場合があります(Google 検索セントラル「よくある質問(FAQPage)の構造化データ」)。電話が減り、来廊前の不安も減ります。
まとめ
- 軸を、展覧会から作家へ移す
- 終わった展覧会を消さない。現在の企画への導線を必ず置く
- URL を変えない。変えるなら転送を設定する
- 販売と展示は、導線を分ける
- よくある質問は、答えを構造化して置く
いまお使いのサイトのままで直せる部分も多くあります。作り替えありきではなく、まず現状を拝見してからご提案します。
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